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(本文引用)
白の訥弁
文/岡澤 浩太郎
為政者たちが明るい顔をして、少し先の未来を雄弁に語る様が、白々しく映るのは、つまるところは遠ざかった過去の物語を、もう一度取り戻そうとしているからで、成される選択も、描かれるビジョンも、いつか見た風景の再生産でしかないのなら、それまでの間に築かれた人の営為は、まるで進歩がなかったのだと、自ら証明し、あるいは宣告されているようで、どうにも気が、奪われていく。人間は、少しはマシになれたのだろうか。
