ACK Curates 特別展示「Flowers of Time」(本願寺伝道院、京都)に参加します。
想像 #1 man、Light and shadow inside me の出品を予定しています。
「Flowers of Time」
出展作家:フェリックス・ゴンザレス=トレス、ユージーン・スタジオ/寒川裕人、加藤慎也、リー・ミンウェイ、中川幸夫、小瀬真由子、コア・ポア、佐々木類、エレーヌ・ストッキ
開催日時:11月10日(木)–11月20日(日) 10:00–17:00/※11月17日(木)は招待者のみ
会場:本願寺伝道院(Google Map)
入場料:1,000円
スペシャルパートナー:洛和会ヘルスケアシステム
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本文より引用
ACK主催のサテライトプログラム「Flowers of Time」展を本願寺伝道院にて開催。私たちが平等にもつ「時間」という概念について、プログラムディレクター山下有佳子によるキュレーションのもと、世界的に著名なアーティストから若手アーティストに至るまで、彼らの多様な作品を通して模索します。
会場である本願寺伝道院は、1912(明治45)年に東京帝国大学 教授・伊東忠太氏の設計により建てられた、通常非公開の重要文化財です。イギリスの建物をイメージしたレンガ壁やイスラム様式のドームなど、さまざまな建築様式を取り入れた独創的な建築です。
出展作家:フェリックス・ゴンザレス=トレス、ユージーン・スタジオ/寒川裕人、加藤慎也、リー・ミンウェイ、中川幸夫、小瀬真由子、コア・ポア、佐々木類、エレーヌ・ストッキ
開催日時:11月10日(木)–11月20日(日) 10:00–17:00/※11月17日(木)は招待者のみ
会場:本願寺伝道院(Google Map)
入場料:1,000円
スペシャルパートナー:洛和会ヘルスケアシステム
(ACKより抜粋 最新の情報はこちらよりご確認ください)
“ユージーン・スタジオ/寒川裕人は、生と死、光と影などの普遍的な主題について、簡潔な要素によって構成される平面作品やインスタレーションを通して表現しています。
《Light and shadow inside me》というシリーズは、緑色のものは、水性染料を塗った紙を、折り曲げ、多角柱状にし、その状態で太陽に数週間当てることで生じた、退色現象を利用して制作されています。モノクロームのものは、銀塩の印画紙を暗室内で折り、多角柱状にしたものに、一瞬の光をあてて感光するのみという、シンプルな行為でできています。表面のグラデーションはこの紙が折られていた形や、太陽や光の位置関係のように相対的かつ客観的な事実を示します。それは私たちがただ存在しているだけで、外部の影響を常に受けながら変化していることを想起させます。
《想像 #1 man》は手によって作られたひとの像で、そのすべての工程が完全な暗闇の中で行われ、同様に完全な暗闇の部屋の中で展示される作品です。そのため像の全容は作者である寒川裕人ですら知らず、今まで誰一人としてみたことがありません。また、この部屋へ入るとき、鑑賞者は例えば時計や携帯電話のように光るものを全て外に置いて、たった一人で入っていかなくてはなりません。こうして光や時間などの客観的な情報をもたらすものが廃されることで、暗闇の中で彫刻に触れ、対象について「想像」する体験は、非常に個人的で絶対的なものとなります。この体験を通して私たちは、自身の中にある既存の感覚を問い直すことになるでしょう。
※《想像#1 man》は鑑賞体験のために、おひとりづつ時間入替制で入室いただきます。入室ご希望の方には当日会場にて整理券をお渡しいたしますので、受付にてお声がけください。なお整理券は先着順、当日限り有効とさせていただきます。また、正午前後に当日分の整理券配布が終了する日もございますが、鑑賞時間確保の関係からご入室人数に限りがございますことをご理解、ご協力ください。
寒川裕人は1989年アメリカ生まれ。これまでペインティングやインスタレーションを中心に作品を発表。過去に、個展「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」(2021-22、 東京都現代美術館、東京)、「de-sport」(2020、金沢21世紀美術館、金沢)、「89+」(2014、サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン)、「漆黒能」(2019、国立新美術館、東京)、などがある。”
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“想像#1 man” についての覚書
(カタログより抜粋)
“このひとの像は、最初からすべてを、完全な暗闇のなかでつくりあげた。
私も、誰も、一度もみたことがない。今後も永遠にそうしようと思う。
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ひとによって、想像する像は異なるようだ。それは仏像的なものでもあれば、あるいは粘土の像、もしくは大理石、冷たい石――それから大きい像、小さい像――これは、その人が過ごしてきた人生にもよるのだと思う。
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暗闇の中でこの像にふれると、「複数の年齢で経験した」感覚がわたしの中で同時に押し寄せた。
好奇心。崇高。官能。母性的なもの。骸にふれたとき。情愛。
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これらが瞬時に切り替わり巡っていく。いままでにまったく経験したことのない感覚だった。
しかし、もっとも強い記憶は、離れる瞬間である。
像から離れて宙に浮いた瞬間、信仰とはなにかを、その原型を理解する。
たった数分にして、暗闇の中で、よりどころにしていたことに気付かされた。
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〈想像〉は、かすかだが、実在している。
なぜ彫刻、像というものを人間が求めたのか、必要だったのか、わたしは彫刻家ではないが、間違いなくその原初に近づいた。
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もし〈想像〉が、100年後の誰かの頭の中でも広がったとすれば、
この像の数は、無限に近しいのかもしれない。”
Eugene Kangawa