『Casa BRUTUS』にて、2021年11月より始まった東京都現代美術館 個展「ユージーン・スタジオ 新しい海:After the rainbow」の紹介と寒川のインタビューが掲載されています。
( 掲載記事より一部抜粋 )
"寒川裕人のユージーン・スタジオの展覧会が〈東京都現代美術館〉で開催中だ。会場に並ぶのはコンセプチュアルな絵画、誰も見ることができない彫刻、巨大な海のインスタレーションなど。その見どころを寒川へのインタビューを交えて紹介する。"
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“…「『新しい海』とは、僕の解釈では『想像の海』のことだと考えています。地球上のすべての海は名付けられていて、平たい意味では新しい海はもうない。つまり、新しい海とは、ここにはなく、想像の中にしかない存在です」(寒川)…"
"…「阪神地区で暮らしていた幼少期に阪神大震災とその復興を見て、大学生のときに3.11を経験しました。特に3.11は、(放射能といった)見えない物質の存在のリアリティに気づき、それと同時にSNSが広まり、見えない人やコミュニティを人々は無意識に想像していったと思います。そしてコロナも含めて、それぞれの問題が顕在化していくことを感じていました。この十数年難しい状況を通して、僕が、僕たちが得られるものがあったとすれば? 見えない力としてそれらを傍観するのではなく、なにか転換できることがあるとすれば? と考え続けて見えてきたのが、『想像する力』でした。…"
"…展示空間自体にも寒川らしいこだわりがある。じつは会場の床タイルは、ユージーン・スタジオのアトリエのものを会場に敷き詰め、《レインボーペインティング》シリーズの前に置かれたソファチェア、監視員の椅子なども、アトリエや自宅で使っているものを運び込んだのだという。…"
"…それを、寒川は「受容」と言う言葉で言い直す。変わっていく自分、変わっていく世界、また想像の受け皿としての作品──。「見る人が、作品に立ち入る余地があること。これは、結果的に、作品がいろいろな人の方向を向いて、照らすことにつながります。実際に、今回の作品の多くは、鑑賞者の内面を映しやすく、あらわにすると思います。今回の個展を通して、このタイミング、時代にとってこれらは重要で、やはり美術や、展覧会というやり方だからこそできるのだと、改めて確信しています」(寒川)…"
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