「THE EUGENE Studio 1/2 Century later.」図録(大型版)が出版 | オクトーバー誌などに寄稿する批評家他による6本の論考と図版を収録

Date
Jun 28, 2019
Tag
Publication

 

 

 

[概要]

THE EUGENE Studio 1/2 Century later.
“Series of White Painting” (Shiseido Gallery, 2019)

価 格 : 10,000円(予価)
サイズ : 外装 455mm x 305mm
構 成 : 3部構成[カタログ、論考集(日本語)、論考集(英語)]
頁   : カタログ 90ページ、 論考集(英語) 74ページ、論考集(日本語) 70ページ
仕 様 : ボックスイン・頁はシートとして取り外し可能
刊 行 : 資生堂ギャラリー(2019年)
※8月3日より、資生堂ギャラリー、NADiff、蔦屋書店で発売 | ご予約はこちらから

 

 

[書籍概要]

資生堂ギャラリーより「THE EUGENE Studio 1/2 Century later.“Series of White Painting”」図録発売。
THE EUGENE Studio/Eugene Kangawaの“Series of White Painting” (2017–)、 “Beyond good and evil, make way toward the wasteland.” (2017)ほか作品図像と6本の論考を三部構成で収録しています。
中の図版ページは、取り外し飾ることができる仕様になっています。

米オクトーバー誌等に寄稿するアメリカの批評家デイヴィッド・ギアーズは、『モノクロームの中の情念』と題された論考(本図録収録)で、本“White Painting”シリーズを〈移動式の礼拝建築〉と名付け、「西欧圏における絵画のモノクロームへの認識を転覆させる可能性を秘めている」と述べます。モノクローム絵画の例を挙げつつ、本作が、モダニズムの以前の偉大さを取り戻そうと模索する皮肉めいたコンセプチュアルアートの系譜とも、ゾンビ・フォーマリズムによる絵画の価値の減価とも、旧来的な抽象画とも異なり、「ポータル(窓)と全ての物質的なモノの中間地点に位置する、不確かな場所」としての地平に存在すると論じています。

 

 

論考一覧(著者/論考タイトル)

デイヴィッド・ギアーズ(美術批評家)/
『モノクロームの中の情念』

伊藤賢一朗(資生堂ギャラリー キュレーター)/
『つながりの「アート」のほうへ』

長谷川新(インデペンデント・キュレーター)
『「1/2 Century later.」——コンセプチュアル・アートの場合』

宮津大輔(アート・コレクター)
『50年後に向けたTHE EUGENE Studioの存在意義を考える』

加藤杏奈(インデペンデント・キュレーター)
『軽やかなスケートボーディング、タイムラインの越境の経験』

ジャン=ガブリエル・ガナシア(パリ第六大学 人工知能研究者)
『デジタル時代の風配図 オンライン・ライフの基本方位』

 

 

Left: Series of White Painting “Trinity” 2017, Canvas, 1700×1700mm ©THE EUGENE Studio
Right: “Erick, Gilmond, Wilfled, Gine, Nigel, Oliver, douglas, Simon, Geoffrey, Barb fuloela, Mait emery, Kait, Lovis, Terrance, Tyra, Georgia, Andra, Michel, Nancy, Gabriel, Chills, Jesus, Padner, Morsey, Julia, Vicki, Amelia, Samuel, Josh, Brih, Judy, Alyssa, Sashr, Devontetla, Morgan, David, Oscard, Daniel juter, Simon, Lily, Brian, Michael, Tomy, Andrew, Enoch, Asulley, Fauna, Trany, Jusitir, anitial, Omer, Julio, Alfredo, Dave, Bnahn, Andrew, Sala, Sweers, Lex, Kali, David, Domilla, Gosica, Simon, Nicolas, Demytorst, Rufus, Brian, Rdlopes, Darrell, Phil” 2017, Canvas, 915×915mm ©THE EUGENE Studio

 

 

 

 

[その他 論考の紹介]

『モノクロームの中の情念』
デイヴィッド・ギアーズ(米オクトーバー誌等に寄稿するアメリカの批評家)

“White Painting”シリーズを〈移動式の礼拝建築〉と名付け、「西欧圏における絵画のモノクロームへの認識を転覆させる可能性を秘めている」と述べます。モノクローム絵画の例を挙げつつ、本作が、モダニズムの以前の偉大さを取り戻そうと模索する皮肉めいたコンセプチュアルアートの系譜とも、ゾンビ・フォーマリズムによる絵画の価値の減価とも、旧来的な抽象画とも異なり、「ポータル(窓)と全ての物質的なモノの中間地点に位置する、不確かな場所」としての地平に存在すると論じています。

 

 

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『つながりの「アート」のほうへ』
伊藤賢一朗(資生堂ギャラリー キュレーター)

“White Painting”シリーズを、ファイン・アートにおける〈絵画〉という形式/オブジェクトを維持しつつも社会のネットワークに存在する作品とし、本作がコミュニケーション装置として「人々の日常世界の中の束の間の舞台装置と小さなコミュニティ」が出現するための媒介となり、「〈絵画〉自体の外側(現実世界の日常性)のほうへと直接のつながりをもつ」性格を持ち合わせていると指摘、それは作家自身の他の作品にも通底していると述べています。

 

 

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『「1/2 Century later.」——コンセプチュアル・アートの場合』
長谷川新(インデペンデント・キュレーター)

主軸となった2点の作品とそれらで構成された展覧会自体に対して論じ、私たちに必要なのは「1でも無限でもない在り方としての〈極性の両立〉と〈カオスへの抵抗〉」だと記します。そして、本展が〈破壊から再生へ〉ではなく、破壊と再生が同時に行われるような状況であると提示します。

 

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『軽やかなスケートボーディング、タイムラインの越境の経験』
加藤杏奈(インデペンデント・キュレーター)

かつてはグローバリゼーションの結果生まれた物理的な場所を往来する〈渡り鳥(ミグラテゥール)〉的活動があったが、現在では〈ネット・サーフィン〉を乗りこなす〈スケートボーディング〉が重要であると指摘します。その上で本展を「過去と現在、未来の時系列を横切る、三つの時系列間の移動(スケートボーディング)」とし、それをもたらす姿勢に「軽やかさ」を見出し〈ポスト・ミグラテゥール〉と名付けています。

 

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『50年後に向けたTHE EUGENE Studioの存在意義を考える』
宮津大輔(アート・コレクター)

昨今の映画とアート、THE EUGENE Studioとバックミンスター・フラーなどを対置しつつ、企業体として活動する同スタジオをヨーゼフ・ボイスの社会彫刻になぞらえ、「視覚芸術分野を横断しながら、〈ポスト資本主義の新しい価値観〉を探る存在である」と問いかけます。

 

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『デジタル時代の風配図 オンライン・ライフの基本方位』
ジャン=ガブリエル・ガナシア(パリ第六大学 人工知能研究者)

本展で提示される問いに共鳴しつつも、それと並行する思考として、サルトルに倣い、「オンライン状態は社会的実存に先立ち、これを条件づける」と定義し、インターネットに接続/非接続される「オンライン」、「オフライン」、「オンライフ」、「オフライフ」4つの状態を、「サイバー空間という未知の流動的な世界」における「現代の〈基本方位〉」に見立てたエッセイを寄せています。