美術史家・キュレーター/東京都写真美術館 企画課係長 関昭郎さんの『コンテンポラリー・ジュエリーのキーワード 「単純化」の理由 』にてWhite Paintingシリーズが掲載されています。
(本文 一部抜粋)
アート作品のなかには、極端に単純な形をしているものがある。例えば、今年の2月に没したアメリカの画家ロバート・ライマンの作品だ。筆者がかつて勤務していた東京都現代美術館では、彼の《君主》と名付けられた1975年の作品を所蔵している。
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こうした作品を目の前にした時、鑑賞者が途方に暮れたとしても無理はない。
しかし、その単純化の理由が、鑑賞者にフォルムではないものを見てほしいという作家からのメッセージと理解すれば、とたんに受け入れやすく感じられるだろう。
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ライマンがこの絵画シリーズを始めた1960年代には、複数の楽器による自由なインプロヴィゼーションが交錯するフリー・ジャズが盛んに試みられた。
ライマンと同じように白い正方形のカンヴァスを使った作品に、THE EUGENE Studio(寒川 裕人)の《ホワイト・ペインティング》がある。この作品で、作家は公共空間に置かれたカンバスへキスをするよう、不特定多数の人々への作品への参加を求めた。
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おそらくこの作品において、白いカンヴァスでなければいけないのは、参加者と鑑賞者のいずれもが自身を向き合い、その想像力を促すためだろう。そのテーマや作品との接触、あるいは対話の要素が取り込まれているなど、この作品にはコンテンポラリー・ジュエリーと共通する要素が多い。…
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